GLFW3 による OpenGL 入門 (2)

第2章 準備

2.1    準備するもの

2.1.1     実行環境

本書では実際にプログラムを作成しながら学習するので、パソコンが必要です。また、OpenGL のバージョン 3.2 以降の API を用いるので、NVIDIA GeForce 8 シリーズ以降、ATI RADEON HD シリーズ以降のビデオカード、あるいはグラフィックス機能を内蔵している Intel の第7世代の CPU (Ivy Bridge, Core i7-3770 など) や AMD の APU (A シリーズ) が必要です。

想定する OS は Windows 7 以降、Mac OS X 10.7 (Lion) 以降、X Window System (X11) を備えた Linux です。これらの上で、コンパイラ・リンカ、テキストエディタ等のソフトウェア開発環境のほか、OpenGL を使用したプログラムの作成を補助するツールキット GLFW (バージョン 3) および OpenGL の拡張機能を利用可能にするための補助ライブラリ GLEW を使用します。

2.1.2     OpenGL

OpenGL はどのプラットホームにも標準で組み込まれていますので、改めて用意する必要はありません。ただし、前述の通り OpenGL のバージョン 3.2 以降に対応したグラフィックスハードウェアと、そのドライバソフトウェアが必要です。また Linux (X Window System) では、別途 Mesa (http://www.mesa3d.org) 関連のパッケージや、使用しているグラフィックスハードウェアのベンダーが提供するドライバソフトウェアのインストールが必要になる場合があります。

2.1.3     GLFW

GLFW のプロジェクトのダウンロードページ (http://www.glfw.org/download.html) からソースプログラムのアーカイブファイルがダウンロードできます。最新版のバージョンは 3 ですが、これは以前のバージョン 2 とは互換性がないので注意してください。これをコンパイルして、使用するコンピュータにインストールします。Windows に対しては、既にコンパイルされたバイナリファイルも用意されています。

2.1.4     GLEW

本書のプログラムでは、OpenGL と GLFW のほかに、GLEW (The OpenGL Extension Wrangler Library, http://glew.sourceforge.net) というライブラリも使用します。これはグラフィックスハードウェアの拡張機能を使用可能にするためのものです。特に Windowsでは、Windows がもともとサポートしている OpenGL のバージョンが 1.1 のために、グラフィックスハードウェアがそれ以降のバージョンに対応したものであっても、そのままでは新しい機能を使用することができません。そこで GLEW を使って、グラフィックスハードウェアが持つ全ての機能をアプリケーションソフトウェアから使えるようにします。

2.2    GLFW のインストール

2.2.1     Windows

Windows ではソフトウェア開発環境として Visual Studio 2013 を使用し、32bit (x86) 版のプログラムを作成することを想定しています。GLFW のプロジェクトで配布しているバイナリファイル (コンパイル済みのファイル) を用いるなら、インストールはファイルを配置するだけです。

まず、GLFW のダウンロードページ (http://www.glfw.org/download.html) の “32-bit Windows binaries” のボタンをクリックしてください。すると 32bit 版のバイナリファイルをまとめた ZIP ファイル glfw-3.X.Y.bin.WIN32.zip (X, Y は数字) がダウンロードされますから、これを右クリックで選択して「すべて展開」を選び、適当なディレクトリ (マイドキュメント、デスクトップ、C:\ など) に展開してください。

この後、Visual Studio でプロジェクトを作成した後に、「プロジェクト」メニューの「プロパティ」を選び、「構成プロパティ」の中にある「VC++ ディレクトリ」に ZIP ファイルを展開したディレクトリ (フォルダ) を指定します。この方法については後述します。

なお、パソコンの管理者権限を持っているなら、このディレクトリの中のフォルダやファイルを以下のシステムのフォルダ (Visual Studio 2013 の場合) に移動あるいはコピーすることにより、プロジェクトを作成するたびに「VC++ ディレクトリ」を設定する手間を省くことができます。

32bit 版 Windows の場合

  • include フォルダにある GLFW フォルダ
C:\Program Files\Windows Kits\8.1\Include\um
  • lib-msvc120 フォルダにある glfw3.lib ファイル
C:\Program Files\Windows Kits\8.1\Lib\winv6.3\um\x86

64bit 版 Windows の場合

  • include フォルダにある GLFW フォルダ
C:\Program Files (x86)\Windows Kits\8.1\Include\um
  • lib-msvc120 フォルダにある glfw3.lib ファイル
C:\Program Files (x86)\Windows Kits\8.1\Lib\winv6.3\um\x86

2.2.2     Mac OS X

Mac OS X では、Xcode と Command Line Tools がインストールされている必要があります。Xcode は AppStore から無料で入手できます。Command Line Tools は、Xcode の “Xcode” メニューから “Open Developer Tool” の “More Developer Tools” を選ぶとダウンロードページが表示されます (無料の開発者ユーザ登録が必要です)。

本書の執筆時点では、MacPorts (http://www.macports.org) に GLFW のバージョン 3 のパッケージが用意されていましたが、HomeBrew (http://brew.sh) や Fink (http://www.finkproject.org) にはありませんでした。ソースファイルからは以下の手順でインストールできます。

インストール

GLFW のプロジェクトのダウンロードページ (http://www.glfw.org/download.html) からソースファイルの ZIP ファイル glfw-3.X.Y.zip (X, Y は数字) をダウンロードしてデスクトップに置き、それをダブルクリックして展開してください。glfw-3.X.Y というディレクトリが作成されます。

次にターミナルを開き、以下のコマンドを順に実行してください (管理者権限が必要です)。‘%’ はシェルのプロンプトを表します。なお、ファイルは /usr/local 以下にインストールされます。

% cd ~/Desktop/glfw-3.X.Y
% mkdir build
% cd build
% cmake ..
% make
% sudo make install

アンインストール

インストールした GLFW のファイルを削除する必要が生じた場合は、前述の手順で GLFW をインストールしたときに build ディレクトリの中に作成される Makefile を使ってアンインストールできます (管理者権限が必要です)。

% cd ~/Desktop/glfw-3.X.Y/build
% sudo make uninstall

2.2.3     Linux

Linux (X11) は NVIDIA GeForce 8 シリーズ以降あるいは ATI RADEON HD シリーズ以降のビデオカードで、プロプライエタリドライバがインストールされていることを想定しています。Intel の CPU 内蔵グラフィックスの場合、ドライバは https://01.org から入手できます。

本書の執筆時点では、Fedora (http://fedoraproject.org) に GLFW のバージョン 3 のパッケージが用意されていましたが、Ubuntu (http://www.ubuntu.com) や OpenSUSE (http://www.opensuse.org) にはありませんでした。ソースファイルからは以下の手順でインストールできます。

インストール

GLFW のプロジェクトのダウンロードページ (http://www.glfw.org/download.html) からソースファイルの ZIP ファイル glfw-3.X.Y.zip (X, Y は数字) ダウンロードしてください。

次にターミナルを開き、以下のコマンドを順に実行してください (管理者権限が必要です)。‘%’ はシェルのプロンプトを表します。なお、ファイルは /usr/local 以下にインストールされます。

% unzip glfw-3.X.Y.zip
% cd glfw-3.X.Y
% mkdir build
% cd build
% cmake ..
% make
% sudo make install

アンインストール

インストールした GLFW のファイルを削除する必要が生じた場合は、前述の手順で GLFW をインストールしたときに build ディレクトリの中に作成される Makefile を使ってアンインストールできます (管理者権限が必要です)。

% cd glfw-3.X.Y/build
% sudo make uninstall

2.3    GLEW のインストール

2.3.1     Windows

GLEW のプロジェクトのページ (http://glew.sourceforge.net) の “Windows 32-bit and 64-bit” のところから、GLEW のバイナリファイルの ZIP ファイル glew-1.X.Y-win32.zip (X, Y は数字) をダウンロードしてください。次に、そのファイルを右クリックで選択して「すべて展開」を選び、適当なディレクトリ (マイドキュメント、デスクトップ、C:\ など) に展開してください。

この後、Visual Studio でプロジェクトを作成した後に、「プロジェクト」メニューの「プロパティ」を選び、「構成プロパティ」の中にある「VC++ ディレクトリ」に、ZIP ファイルを展開したディレクトリ (フォルダ) を指定します。この方法については後述します。

なお、パソコンの管理者権限を持っているなら、このディレクトリの中のフォルダやファイルを以下のシステムのフォルダ (Visual Studio 2013 の場合) に移動あるいはコピーすることにより、プロジェクトを作成するたびに「VC++ ディレクトリ」を設定する手間を省くことができます。

32bit 版 Windows の場合

  • include\GL フォルダにある glew.h glxew.h wglew.h ファイル
C:\Program Files\Windows Kits\8.1\Include\um\gl
  • lib\Release\Win32 フォルダにある glew32.lib glew32s.lib ファイル
C:\Program Files\Windows Kits\8.1\Lib\winv6.3\um\x86
  • bin\Release\Win32 フォルダにある glew32.dll ファイル
C:\Windows\System32

64bit 版 Windows の場合

  • include フォルダにある glew.h glxew.h wglew.h ファイル
C:\Program Files (x86)\Windows Kits\8.1\Include\um\gl
  • lib\Release\Win32 フォルダにある glew32.lib glew32s.lib ファイル
C:\Program Files (x86)\Windows Kits\8.1\Lib\winv6.3\um\x86
  • bin\Release\Win32 フォルダにある glew32.dll ファイル
C:\Windows\SysWOW64

2.3.2     Mac OS X

本書の執筆時点では、GLEW のパッケージは MacPorts (http://www.macports.org)、HomeBrew (http://brew.sh)、Fink (http://www.finkproject.org) のいずれのプロジェクトにも用意されていました。ソースファイルからは以下の手順でインストールできます。

インストール

GLEW のプロジェクトのページ (http://glew.sourceforge.net) からソースファイルの ZIP ファイル glew-1.X.Y.zip (X, Y は数字) をダウンロードしてデスクトップに置き、それをダブルクリックして展開してください。glew-1.X.Y というディレクトリが作成されます。

次にターミナルを開き、以下のコマンドを順に実行してください (管理者権限が必要です)。‘%’ はシェルのプロンプトを表します。なお、ファイルはデフォルトでは /usr にインストールされます。インストール先を変更するには、make コマンドの引数で GLEW_DEST にインストール先を設定してください (GLFW と同じディレクトリにインストールすることを勧めます)。

% cd ~/Desktop/glew-1.X.Y
% make GLEW_DEST=/usr/local
% sudo make GLEW_DEST=/usr/local install

アンインストール

インストールした GLEW のファイルを削除する必要が生じた場合は、以下の手順でアンインストールできます (管理者権限が必要です)。GLEW_DEST にインストールの時に指定したインストール先を指定してください。

% cd ~/Desktop/glew-1.X.Y
% sudo make GLEW_DEST=/usr/local uninstall

2.3.3     Linux

本書の執筆時点では、Fedora (http://fedoraproject.org)、Ubuntu (http://www.ubuntu.com)、OpenSUSE (http://www.opensuse.org) のいずれのディストリビューションにも、GLEW のパッケージが用意されていました。ソースファイルからは、以下の手順でインストールできます。

インストール

GLEW のプロジェクトのページ (http://glew.sourceforge.net) からソースファイルの TGZ ファイル glew-1.X.Y.tgz (X, Y は数字) をダウンロードし、適当なディレクトリで展開してください。

次にターミナルを開き、以下のコマンドを順に実行してください (管理者権限が必要です)。‘%’ はシェルのプロンプトを表します。なお、ファイルはデフォルトでは /usr にインストールされます。インストール先を変更するなら、make コマンドの引数で GLEW_DEST にインストール先を設定してください (GLFW と同じディレクトリにインストールすることを勧めます)。

% tar xzf glew-1.X.Y.tgz 
% cd glew-1.X.Y
% make GLEW_DEST=/usr/local
% sudo make GLEW_DEST=/usr/local install

アンインストール

インストールした GLEW のファイルを削除する必要が生じた場合は、以下の手順でアンインストールできます (管理者権限が必要です)。GLEW_DEST にインストールの時に指定したインストール先を指定してください。

% cd glew-1.X.Y
% sudo make GLEW_DEST=/usr/local uninstall