«メディアデザイン演習 最新 とっても簡単なマルチテクスチャのサンプル»

床井研究室

※このブログは遅くとも 2027 年 3 月に管理者の定年退職により閉鎖します (移転先は管理者本人共々模索中)

■ 2004年02月08日 [OpenGL][3D液晶] ステンシルバッファを使った立体視

2004年09月06日 01:05更新

NEC Lavie G Type S

3D液晶を搭載したノートパソコンを導入したので,仕事の合間にサンプルプログラムを書いてみました.実行したら,3Dボタンを押してください.cとoのキーで視差を調整できます.もし気分が悪くなったら,すぐにやめてください.

実装

プログラムはこういう考え方で実装してみました.まず,ステンシルバッファに1ピクセルおきに縦の線を描き,これをマスクに使います.w と h はウィンドウのサイズです.ゲームモード(フルスクリーン)を使うので,これは液晶のサイズになります.BARRIERBITはこのマスクに使うステンシルバッファのビットで,とりあえず1です.

  glStencilFunc(GL_ALWAYS, BARRIERBIT, BARRIERBIT);
  glStencilOp(GL_REPLACE, GL_REPLACE, GL_REPLACE);
  glDisable(GL_DEPTH_TEST);
  glDrawBuffer(GL_NONE);
  glClear(GL_STENCIL_BUFFER_BIT);
  glMatrixMode(GL_PROJECTION);
  glLoadIdentity();
  glOrtho(-0.5, (GLdouble)w, -0.5, (GLdouble)h, -1.0, 1.0);
  glMatrixMode(GL_MODELVIEW);
  glLoadIdentity();
  glBegin(GL_LINES);
  for (x = 0; x < w; x += 2) {
    glVertex2d(x, 0);
    glVertex2d(x, h - 1);
  }
  glEnd();
  glFlush();
  glDrawBuffer(GL_BACK);
  glEnable(GL_DEPTH_TEST);
  glStencilOp(GL_KEEP, GL_KEEP, GL_KEEP);

そして,次の手順で右目から見たシーンを描きます.

  glColorMask(GL_TRUE, GL_TRUE, GL_TRUE, GL_TRUE);
  glClear(GL_COLOR_BUFFER_BIT | GL_DEPTH_BUFFER_BIT);
  /* 奇数ラインにR・Bを表示 */
  glStencilFunc(GL_NOTEQUAL, BARRIERBIT, BARRIERBIT);
  glColorMask(GL_TRUE, GL_FALSE, GL_TRUE, GL_TRUE);
 (右目の位置を視点にしてシーンを描く)
  /* 偶数ラインにGを表示 */
  glStencilFunc(GL_EQUAL, BARRIERBIT, BARRIERBIT);
  glColorMask(GL_FALSE, GL_TRUE, GL_FALSE, GL_FALSE);
 (右目の位置を視点にしてシーンを描く)

同様にして,左目から見たシーンを描きます.

  glClear(GL_DEPTH_BUFFER_BIT);
  /* 偶数ラインにR・Bを表示 */
  glStencilFunc(GL_EQUAL, BARRIERBIT, BARRIERBIT);
  glColorMask(GL_TRUE, GL_FALSE, GL_TRUE, GL_TRUE);
 (左目の位置を視点にしてシーンを描く)
  /* 奇数ラインにGを表示 */
  glStencilFunc(GL_NOTEQUAL, BARRIERBIT, BARRIERBIT);
  glColorMask(GL_FALSE, GL_TRUE, GL_FALSE, GL_FALSE);
 (左目の位置を視点にしてシーンを描く)

これを見てお分かりのとおり,一方の目ごとにシーンを2回ずつ描いています.両目のシーンを作るのに,計4回描くことになります.これはさすがに効率が悪いですね.

ドライバの対応

効率のいいプログラムを書くには,やはりドライバレベルのサポートが必要だと感じます(Quad Buffer Stereo に対応してくれたらなぁ).あるいは,ピクセルシェーダで実装するとか.もし,何かいい方法をご存知の方がいらっしゃったら教えてください.そういえばSHARPのノートパソコンならnVIDIAのステレオドライバが対応するとか,どこかに書いてあった気がします.それにSHARPは,StereoGLなるものも用意しているようですね.うーむ.

資料が欲しい

ドライバもそうですけど,やっぱり資料が欲しいですね.例えば,このLavie本体にはソフトウェアでコントロールできる「3Dボタン」なるものが付いているのですが,このコントロール方法がわかりません.また,この「3Dボタン」を押して画面を3Dモードに切り替えると画面の下部に「最適視認位置インジケータ」が表示されるのですが,この使い方も今ひとつよくわかりません.コンシューマ向けノートパソコンだから,そんなに詳しい技術資料が添付されているわけがないとは思いますが,そういうのって,どこかに頼んだらもらえるものなのでしょうか.

MOBILITY RADEON 9600

このノートパソコンを(わがままを言って)導入した理由は,手持ちの古いノートパソコンがDirectX9を使って研究している学生さんのデモでは使えないために,彼がでっかいデスクトップパソコンをえっちらおっちら運んでいたのを見かねたことにあります.ところが,そのデスクトップパソコンのビデオカードがnVIDIAのせいか,ATIのLavieでは実行結果がかなり違ってきます.本人は「機種依存しないように作った」と言うんですけど.実数計算の精度の違いかなぁ.

ファイナルファンタジーXI

ところで,このノートパソコンには3D液晶を生かすアプリケーションとして,ファイナルファンタジーXIがバンドルされてました.このゲームで3D表示をどんなふうに生かすのか興味はあるのですが,学校でこれにはまってしまうわけにもいかないんで,まだ封を切ってません.どーすっかな.

コメント(1) [コメントを投稿する]
とこ 2004年02月09日 16:00

自分で突っ込むのもなんだけど,やっぱり右目と左目を間違えてました.プログラムともども修正.


編集 «メディアデザイン演習 最新 とっても簡単なマルチテクスチャのサンプル»