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床井研究室

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■ 2005年02月16日 [3D液晶] シャープの新ノートパソコン

2005年02月26日 13:20更新

やっと出た

いやぁ,出ましたね.PC-AL3DH.以前,知り合いを通じて貸してもらった PC-RD1-3D からだいぶ間がありましたし,一方の NEC は 2005 年春モデルのラインナップからは Lavie S/Lavie G Type S を外してしまったみたいなので,「3D ってまだ商売にはならんのかなぁ」とかマイナーな気分になっていたところでした.

GeForce Go 6600 搭載!

しかし SHARP さん,まだまだやる気マンマンですね.いきなり GeForce Go 6600 搭載ときましたか.さすが,「目の付けどころがシャープです」ね.PC-RD1-3D が GeForce4 440 Go でちーとばかり悲しかった(んで,私は Lavie G Type S を買った…それに安かったし)んですが,これならやりたいことが思う存分できそうです.物欲が掻き立てられます.

軽くなった!

それに,重量も 1Kg ほど軽くなりました.ミニノート1台分の減量です.それでも 3.5Kg あります.しかし PC-RD1-3D が 4.6Kg もあった上に,この AC アダプタがまた巨大でトータル 6Kg(2リットルのペットボトル三本分)近い重量を持ち運ばなければならなかったことを思えば,これには雲泥の差があるようにも思えます.

しかし高い!

まー,まだニッチな商品なんでしょう.「店頭予想価格は36万円前後」なんて価格は,研究室の学生さん5人分のパソコン代に相当するわけで,「外部資金」がうまく導入できない(つまり,当たらない)うちの研究室では,とても出せない金額ですな.あーあ.

でも,こういうディスプレイを買った

私が買ったわけではないんですが,これまでやってきた液晶シャッタめがねによる立体視の実験に加えて,来年度(この4月)から裸眼立体視を使った実験を取り入れようと考えて,学科に無理をお願いして教育経費から StereoGraphics 社SynthaGram という 20 インチモニタを買ってもらいました.

Synthagram

視差バリア方式の SHARP の 3D LCD パネルと異なり,SynthaGram はレンティキュラレンズを LCD パネルに対してわずかに傾けて貼り付けています.だから,SHARP のもののように 2D と 3D を切り替えたりはできません.それに9視点もあるので(SHARP のものは2視点,SANYO の PDP は4視点),絵作りが大変そうですが,そこはそれ,「大は小を兼ねる」アプローチで何とかやってみようと思います.もちろん,絵作りのためのソフトウェア開発キットもついてました.さらに,ATI RADEON 9800 PRO のビデオカードまで付いてたのはオドロキでした.なんか,得した気分 :-) 元が安くはないけど :-P

3D ディスプレイは大画面でこそ?

本当のことを言うと,SANYO の 50 インチ PDP ディスプレイ が欲しかったんです.現物のデモをみて,「これは絶対いける」と思って 3D ディスプレイの実験の導入を学科に直訴したんです.しかし,こちらはやはり高かった…

ノートパソコンの 15 インチ 3D 液晶を使っていて思ったんですが, 人体モデルを 2D 表示している間は,それは画面の向こうにある「実物大の人」として知覚できるというか,そう思い込むことができるんですよね.

ところがいざ 3D に切り替えると,ディスプレイのところに人体モデルが立体で現れるために,それが等身大のモデルだと思い込むことがどうしてもできません.つまり,人体モデルがまるでその場所にあるフィギュアのように見えて(思えて)しまうんです.

このことは,仮に 15 インチの 3D ディスプレイ向けに立体視のアプリケーションを作るとしたら,実寸がその画面に収まる大きさのものしかうまく扱えない,ということなのかも知れません.もちろん,CAD のような用途ではスケールモデルを用いた評価が日常的に行われていますから,その延長上にある用途では十分なのかもしれません.

しかし,例えば人体モデルに服を着せようとするバーチャルマネキンのような用途では,やはりそのサイズのディスプレイが必要になるように思います.だから,できれば視野を全部覆うような,おっきなディスプレイがベストなんでしょう.システム情報学センターのあれは,水平方向は 140°あってだいたい視野を覆えるんだけど,上下方向が狭くて使いづらい…(基本設計したのは私なんだけど)

やっぱりお金が無い

どっかからお金が降ってこんかなぁ(独立法人化以降こればっかり).何もしないで降ってくるわきゃ無いけど.ただ,将来の計算機設備導入に回ってくるはずの予算がなんだか横取りされそうな気配が漂っていることが気がかりです.学生さんに「自宅のパソコンやネットの方がずっと速い(から,自宅で研究してもいい?)」なんて言われたらもとも子もないんだけどなぁ.「無い袖は振れない」ってことかなぁ.

でも,学生さんが「夢を見られるような設備」があってこそ大学だと思う.そうでなきゃ学生さんも集まらないし,「創造力豊かな人材」なんてものも育てられない(と言い切っちゃう).だからこれに関しては,たとえ立場が不利になっても,なんとしてでも死守したい.


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